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2023年のトランクルーム市場はどうなりそうか?

この記事をご覧の皆さんの中には、2023年のトランクルーム市場はどのように動いていくのかについて知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

 2022年度も終わりを迎える中、来期に事業者としての参入を考えていたり、トランクルーム事業への投資を考えたりしている人にとって2023年度のトランクルーム市場の動向についての予想や情報を知りたいと考えていても不思議ではありません。

 そこで、今回の記事では、2023年のトランクルーム市場はどのように動いていくのかなどについて説明していきます。

2023年のトランクルーム市場の市場規模について

2022年度のトランクルーム市場も順調な成長を見せていましたが、2023年度のトランクルーム市場の成長はどのようになっているのでしょうか。

 トランクルームの市場に関する「Annual Supply Survey」という資料によると、2023年集計時点においての市場規模は2022年度の822億円から892億円と前年度と同じく拡大が続くことが予想されています。

 しかし、世界的な物価の上昇やウクライナ問題などが影響しての2023年度の経済は景気後退が予想されている中で当初予想されている数値を達成できるかについては不安要素もいくつか考えられるので、簡単に成長を楽観視するのは難しいでしょう。

2023年度のトランクルーム市場の成長に関する不安事項について

2023年度のトランクルーム市場の成長に関する不安事項についてどのようなものがあるのでしょうか、具体的には以下のようなものがあります。

事業投資のための費用が2022年度よりもさらに上昇しうる可能性が高い 

2023年度のトランクルーム市場の成長に関する不安事項の1つ目については、事業投資のための費用が2022年度よりもさらに上昇しうる可能性が高いことが挙げられます。

 世界的な物価の上昇やウクライナ問題などが影響して、金融市場が不安定な環境に晒されている中、銀行や投資家からの資金調達の際の金利や利回りなどが上昇するリスクが高まる可能性があります。

 また、2022年度同様に施設用地の取得費用が上昇する影響から用地取得の競争環境が激化することが予想されることから、従来の敷地面積の狭めの要地でさえ取得するための価格が上昇して、各事業者の事業投資のための費用が上昇してしまいかねません。 

事業を拡大して売上高や営業利益を増加させたい事業者にとって、向かい風が吹く環境をどのように乗り越えていくのかを考えていくことが重要になるでしょう。

事業形態が似通ってしまうことによる差別化の難化が進む

2023年度のトランクルーム市場の成長に関する不安事項の2つ目については、事業形態が似通ってしまうことによる差別化の難化が進むことが挙げられます。

 上記の段落で説明したように、事業投資費用が増加してしまう可能性が影響して、取得できる土地の大きさや形状などが似通ってしまうことで事業内容も同じようなものになってしまい、事業内容の差別化が難しくなってしまうかもしれません。

トランクルーム事業はあくまで荷物を保管する場所を提供するビジネスであるので、そもそもの土地が狭ければできることが限られてしまうので、このような可能性も捨てきれないのではないでしょうか。

景気後退に伴う消費の冷え込みにより利用者数の増加が鈍化する可能性

2023年度のトランクルーム市場の成長に関する不安事項の3つ目については、景気後退に伴う消費の冷え込みにより利用者数の増加が鈍化する可能性が挙げられます。

 2023年度は世界的に景気後退に陥る予想が多く、景気後退に伴う消費の冷え込みが起こる可能性もあり、そもそもの保管するための荷物を購入する量が減少すれば、わざわざ他の場所に保管しに行く必要性も減少してしまいかねません。

 このように利用者が減少してしまうと、2023年度の当初の予想のような市場規模の拡大を続けていくことが難しくなるかもしれませんので、この点についても懸念される事項となるでしょう。

2023年度のトランクルーム市場で上手く立ち回るには

2023年度のトランクルーム市場で上手く立ち回るうえで重要になるのが、無理に事業投資を行わないという点が挙げられます。

 大手の事業者であれば、純資産の額や負債を活用しての多少強引な事業投資を行っても問題ないかもしれませんが、多くの中小規模以下の事業者は純資産の額などの事業体力も小さく、銀行からの負債の活用での事業投資も先行きが怪しい状況ではリスクが高いです。

 よって、2023年度の経済環境的には逆風な状態である可能性が高い状況下では、特に中小規模以下の事業者は無理をせずに、既存のサービスや顧客を大事にしていくことが重要になってくると言えるでしょう。

 この段落で説明した内容をしっかりと押さえて、特に中小規模以下の事業者の事業戦略の担当の人は、2023年度のトランクルーム市場での立ち回り方を考えるようにしましょう。

まとめ

ここまで、2023年のトランクルーム市場はどのように動いていくのかなどについて説明してきましたが、いかがでしたか。

 2022年度も世界経済的に色々な事項が発生しましたが、2023年度もなお先行きが不透明な状況が継続する可能性が高いので、トランクルーム市場の事業者もそのような状況であることを認識して、油断せずに自社の事業を安定させられるように努めるのが重要です。

 この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、2023年のトランクルーム市場はどのように動いていくのかなどについての学習に役立てると良いのではないでしょうか。